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2007年4月13日金曜日

シンクライアント化の流れ

個人で使用するパソコンの性能が向上した。
大きな容量を持ったデータ記憶装置、高い処理能力のプロセッサ、高機能化されたアプリケーションソフトウエアが搭載されたパソコンを持ち歩けば、家でも会社でも作業ができる環境になってきている。

しかし一方で、個人情報や企業の機密情報漏洩など、情報管理に対する経営リスクが高まってきた。そこで、個人がパソコンに情報を持ち歩くスタイルから、ホストコンピュータによる厳密な情報管理が可能な「シンクライアント」の利用が注目され始めた。

シンクライアントは、個人が操作する端末にはHDDなどの記憶装置が無く、アプリケーションソフトウエアをホスト側で動作して処理を行う。基本的にデータのコピーを個人の端末が所有せず、データへのアクセスや変更履歴の管理が可能である。昔の情報処理サービスであったサーバ・クライアントシステムに戻った格好だ。当時はクライアントの処理能力が低く、サーバーでの高速演算処理機能を活用するために利用したシステムだが、今は情報を管理することが目的である。

さらにブロードバンドネットワークの普及が同システムの経済性を後押ししている。無線データ通信も高速化が進んでおり、場所に拘束されず作業できる環境も整いつつある。情報管理が目的のシステムであるから、ネットワークの安全性確保は重要な課題だ。シンクライアント化の流れは、パソコンの性能向上で収益を得てきたビジネスモデルから、ネットワーク側に付加価値が移動することを意味している。

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