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2012年2月19日日曜日

ユニクロ帝国の光と影

横田増生氏著の「ユニクロ帝国の光と影」を
読みました。ユニクロの特売チラシが毎週末のように入り、
フリースで一世を風靡したユニクロがどのような
企業経営を行っているのか、とても興味がありました。

ユニクロは日本でもっとも成功しているSPA
(Speciality store retailer of Private label Apparel)の
1社であり、自社のオリジナル製品を製造から小売まで
一貫して行う業態をとっています。

最近では、ヒートテックやブラトップなどのヒット商品を
生み出し、同社の業績が支えられています。

しかしその経営内容は、本書235ページにある
ZARAと比較した損益計算書に如実に現れています。
- 粗利益率が低い
SPAで中国生産を行い製造原価を下げているが、
全品買取のため売り残りをなくすためセールで
値引き販売を行うため
- 販売管理費が低い
広告宣伝費を販管費に含めれば、同程度
- 人件費率が低い
9割をアルバイトが占め、販売現場での不断の人件費
削減努力が行われている
- 減価償却費が少ない
工場は海外の下請け、店舗は賃貸のため減価償却を
必要とする設備を多く持っていない
このような運営により、16%程度の営業利益率を
達成しています。
本書ではこれらの営業成績を達成するために
行われる施策に対して焦点を当て、光の部分、
影の部分として書き進められています。

ZARAの強みは企画してから2週間で店頭に製品が
並ぶことだそうです。それを比較的高い定価で売り切る
ことができる、そのような顧客ロイヤルティも得ています。
今後、ユニクロはZARAのような企業へと成長していくのか、
それとも定番カジュアルを大量供給してGAPのように
停滞してしまうのか、ユニクロの浮沈はこれからの
経営陣の手腕にかかっています。

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