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2012年2月26日日曜日

金融史がわかれば世界がわかる

今週は倉都康行氏の「金融史がわかれば
世界がわかる」を読みました。

近代の金融覇権を金融力という切り口で紐解き、
英国のポンドが金本位制をあきらめて、
米国のドル、そしてユーロの台頭に至るまでの経緯や、
基軸通貨による貿易と資本取引の意味、
デリバティブズによる資金の流動性など
多方面に渡り、わかりやすくまとめられています。

世界経済(貿易)が発展し、貨幣の需要はますます
増大していますが、その価値の寄りどころは
国家の信認であるとする体制は、ごく最近のことで
あることがわかります。

ソブリンリスクが顕在化しつつある現在は
過剰流動性のもと、ヘッジファンドなどの
市場参加者も巻き込んで歴史的にも新たな局面を
進んでいるという認識が重要です。

そのリスクに備えることが、金融技術を駆使した
金融力の本領分野であるべきですが、
想定外の非常時に十分なリスク管理を
行える領域まで技術が発達しているかは
疑わしいところで、さまざまな思惑により、
大きな混乱を経験することになるかもしれません。

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